松浦晋二郎ブログ

民事訴訟は私人間の権利義務を私的自治の範囲内で自由に処分する場であり学問上の真理を確定するための場ではないので民事訴訟と学問上の真理確定とは無関係である。従って自己の著書論文に多数の学問的間違いを書いている学者が、自己の著書論文の学問的間違いを指摘した相手のことを恨み、名誉毀損を理由に民事訴訟で当該相手を訴えて恫喝し無理やり相手に「謝罪文」を書かせてみても学問上の真理を自己に有利に書き換えることは不可能/東大文学部卒業。同志社ロー修了/行政書士試験合格/連絡先ivishfk31@gmail.com

2017年12月14日付、千田有紀教授ツイッター発言「平成28年度全国ひとり親世帯等調査、民法改正以降ここ4年で面会交流を実施している母子家庭が劇的に増加。ここ4年で6割以上の実施(18-3-5)。以前の4割に較べると激増といえる。」の検証

 

1 2017年12月14日付千田有紀教授ツイッター発言

【1】

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【2】

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【3】

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【4】

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上記ツイート【1】において千田有紀教授は

平成28年度全国ひとり親世帯等調査、民法改正以降ここ4年で面会交流を実施している母子家庭が劇的に増加。ここ4年で6割以上の実施(18-3-5)。以前の4割に較べると激増といえる。」

と発言しています。またツイート【2】【3】【4】で算定根拠を示しています。

以下、上記発言を私なりに検証してみます。

 

2  まずツイート【2】で千田教授は平成23年の算定根拠として母子世帯になってから「0~2年未満」「2年~4年未満」「4年以降」「不詳」を含めた数(369+234=603)を分子とし、これを分母の総数1332で割って「面会交流実施率」=45.27%を導き出しています。

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http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-katei/boshi-setai_h23/dl/h23_19.pdf

 

これに対して

千田教授は平成28年度に関しては

(1)母子世帯になってから「0~2年未満」

(2)母子世帯になってから「2年~4年未満」

のデータのみを使用して

「面会交流実施率」を計算し、それは6割であるとしています。

(つまり

136+39+100+41=316

この316を「0~2年未満」「2年~4年未満」の合計総数534(298+236=534)で割ると

316÷534=0.59176=59.17%となります。この点は千田教授の計算結果と一致します。)

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http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11920000-Kodomokateikyoku/0000188169.pdf

しかし、

平成23年度に関しても平成28年度と同様に

(1)母子世帯になってから「0~2年未満」

(2)母子世帯になってから「2年~4年未満」

のデータのみを使用して「面会交流実施率」を計算すると、次のようになります。

 すなわち平成23年の調査結果では、

◎母子世帯になってから「0~2年未満」で面会交流を「現在も行っている」又は「過去に行ったことがある」の回答数

=94+33=127

◎母子世帯になってから「2年~4年未満」で面会交流を「現在も行っている」又は「過去に行ったことがある」

の回答数

=81+38=119

合計すると127+119=246

この246を「0~2年未満」「2年~4年未満」の合計総数450(254+196=450)で割ると

246÷450=0.54666=54.66%

となります。

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このように平成23年平成28年で計算に用いるデータを「0~2年未満」及び「2年~4年未満」のみに揃えて計算すると、平成23年のデータを使用した場合に比べて平成28年度のデータを使用した場合の方が面会交流実施率はたしかに「増加」してはいます。

しかし平成23年度のデータに基づく54.66%と平成28年度のデータに基づく59.17%とを比べると、千田教授がツイート【1】で言うような「ここ4年で劇的に増加」したとは言えませんし、「以前の4割に較べると激増」した、とも言えません。

  2つのデータを比較するときは、比較の根拠として用いるデータ(タイムスパン)を揃えて利用するべきではないでしょうか。

 

 3 ちなみに平成28年度のデータを用いて、母子世帯になってから「0~2年未満」「2年~4年未満」「4年以降」「不詳」を含めた数(541+347=888)を分子とし、これを分母の総数1817で割ると「面会交流実施率」=48.87%となり、上記「2」で計算した平成23年度の計算結果:45.27%とさほど変わりません。

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4 「母子世帯になってから4年以降の世帯」のみについて計算するとどうなるでしょうか。

 

平成23年の調査結果について 、 

「母子世帯になってから4年以降の世帯」の総数793のうち、面会交流を

(1)現在も行っている:176 

(2)過去に行ったことがある:155

と回答した世帯の合計数は

176+155=331です。

総数793に対する割合は

331÷793=0.41740であり、約41.74%(小数点5位以下切り捨て)です。

 

平成28年の調査結果について同様に計算すると 

(271+245)÷1148

=0.44947であり、約44.94%(小数点5位以下切り捨て)です(この点は千田教授がツイート【2】で述べている結果と一致します)。

 

5 結論 

 以上から推測できることは、母子世帯になってから「0~2年未満」「2年~4年未満」の時期は面会交流実施率が高いが、「4年以上」になると面会交流実施率が低い、ということであると思われます。つまり平成23年の調査データを利用しようが平成28年の調査データを利用しようが、いずれも、母子世帯になってから「0~2年未満」「2年~4年未満」の時期は面会交流実施率が高く、「4年以上」になると面会交流実施率が低い、ということが言えるに過ぎません。

 そのため28年度の調査データの中から、母子世帯になってから「0~2年未満」「2年~4年未満」のデータだけを取り出して計算した千田教授の面会交流実施率が、23年度の調査データの中から、「0~2年未満」「2年~4年未満」「4年以降」のデータすべてを含めて計算した面会交流実施率よりも高い計算結果になった、ということであると思われます。

 従って千田教授が言うように「(平成23年の)民法改正以降ここ4年で面会交流を実施している母子家庭が劇的に増加」した(ツイート【1】)、とか、「民法改正後にほぼ60パーセントに変化した」(ツイート【4】)、とは言えないように思われます。

 千田教授の「民法改正後にほぼ60パーセントに変化した」との主張に対しては、「いや、それは千田教授が平成28年度の調査データの中から「0~2年未満」「2年~4年未満」のデータだけを取り出して計算したから59.17%という高い数字が出てきたのであって、平成23年度の調査データの中から「0~2年未満」「2年~4年未満」のデータだけを取り出して計算すれば、やはり54.66%という高い数字が出ます。面会実施率が増加してはいますが千田教授が主張するほどの劇的な増加ではありません」と反論すれば足りるように思われます。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか?

 

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【以下は参考資料】

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11920000-Kodomokateikyoku/0000188169.pdf

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https://twitter.com/chitaponta/status/941558949848813569

 

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【注意:本記事は個人的見解・感想を述べたに過ぎず、特定個人について特定の断定的・否定的評価を下し対世的に確定するものではありません。人によって物の見方、感じ方はさまざまです。】